私(Taka)が独断と偏見で選んだ、フィドルのお勧めCD10枚です。
現地アイルランドは毎週のように、新譜がリリースされています。
アイルランドのCD屋さんの棚。このお店はアイルランドの伝統音楽だけ扱うお店ですが、伝統音楽のCDだけでもこれだけの量のCDが置いてあるのです。
ここに紹介した以外にも良いCDが沢山ありますので、アイルランドのCD屋さんの通販サイトなどでいろいろと探してみてください。
こちらのページでは総勢100名以上のアイリッシュのフィドル奏者を地域別に分けて紹介しています。
ほとんどの奏者がCDをリリースしていますので、ぜひご覧になってみてください。
戦前の奏者、アイルランドの北部の奏者
アイルランドの中西部、南西部の奏者
アイルランド東部、海外に移民した奏者
こちらのページではフィドル以外の奏者のCDを紹介しています。
・ Paddy Killoran & James Morrison
(パディ・キローラン & ジェームズ・モリソン)
・Paddy Canny & P.J. Hayes (パディ・カニー&P.J.ヘイズ)
・Kathleen Collins (キャスリーン・コリンズ)
・Vincent Griffin (ヴィンセント・グリフィン)
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アイリッシュフィドルといえばこの人をおいて他にはいないでしょう。
マイケル・コールマンは多くのフィドル奏者に影響を与えた、アイリッシュフィドルの神様とも言えるほどの奏者です。
スライゴ州出身で20台前半でニューヨークへと渡り、現地で多くのレコードを残しました。マイケルが吹き込んだのレコードはアイルランドにも逆輸入され、アイルランド中の多くの奏者が彼の演奏の影響を受けたのでした。
クレアの大御所フィドル奏者パトリック・ケリーは生前「クレアスタイルのフィドル奏法にとっての最悪の出来事は、マイケル・コールマンのレコードの出現である」と語ったことがありました。
これは、クレアのフィドル奏者の多くがマイケル・コールマンの影響を受けて彼の演奏を真似しまったために、それまで受け継がれてきたクレアスタイル(※)の伝統が失われてしまった、という意味なのだそうです。
(※)アイルランドの地域別のフィドル奏法についてはこちらをご覧ください。
CDに収められている曲は、全て戦前にSP盤レコード(78rmp)として発売されたものです。古い録音であることは否めないですが、演奏のレベルの高さは現代の演奏と比較してもなんら遜色ありません。
iTunesでダウンロード版の購入ができますが、CDの方は小冊子がついてくるのでCDの方がお勧めです。
CD版にはとってもためになる小冊子がついてきます。
マイケル・コールマンの演奏
マイケル・コールマンのライバル的存在
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パディ・キローランとジェームス・モリソンはマイケル・コールマンとほぼ同時期に活躍したフィドル奏者です。
二人ともマイケルと同じくスライゴの出身でニューヨークに渡り、現地で多くのレコードを残しました。
特にジェームス・モリソンの演奏はマイケル・コールマンに引けを取らない高度な技術を持った演奏で、マイケルとはライバル関係にあったと言われたこともあったそうです。
パディ・キローランの演奏はコールマン&モリソンの演奏に比べると若干シンプルでおとなしい目な感じがしますが、スイートでスムーズなテイストはリラックスして聞くことができます。
パディ・キローランは奥さんがクレアのミルタウンマルベイ出身であったことからたびたびクレアを訪れることもあったそうで、クレア滞在中はウィリー・クランシーと演奏することもあったそうです。
カーネギーホールでソロリサイタルを開いた伝説のフィドラー
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「パディ・カニー」はマーティン・ヘイズの叔父にあたるフィドル奏者です。滑らかなタッチの"スイートでスムーズ"な奏法が特徴です。
1950年台にはアメリカでも人気があり、カーネギーホールでリサイタルを開いたこともありました。
このCDは長らく「アイルランドでもっとも手に入りにくいレコード」と言われていた伝説的な「All Ireland Champions」というレコードの復刻版で、パディ・カニーのほかにマーティン・ヘイズの父親の「P.Jヘイズ (P.Joe Hayes)」、フルート奏者の「ピーター・オロコリン(Peter O'Loughlin)」が録音に参加しています。
パディ・カニーとピーター・オロコリンによるフィドル&フルートのデュエット演奏のトラックは必聴の価値ありです。
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パディ・カニーの演奏
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ハープを弾いているのはパディ・カニーの孫娘です。
フィドルも上手いです。
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キャスリーン・コリンズはニューヨーク出身のアイルランド系アメリカ人のフィドル奏者です。
アイルランド系アメリカ人として初めてオールアイルランドフラー(アイルランド音楽の全国コンクール)で優勝した奏者としてもよく知られています。
アイルランド音楽の老舗レーベル「シャナーキ・レコード」の創業者「ダニエル・マイケル・コリンズ」はキャスリーン・コリンズに兄にあたります。
ボタンアコーディオンの大御所「ジョー・バーク」との結婚に伴いゴールウェイに住んでいたこともありました。(後に離婚)
演奏スタイルは、マイケル・コールマンの流れを汲む"スライゴ-ニューヨーク系"のスタイルと、ジョー・バーク直伝の東ゴールウェイスタイルを上手くミックスした演奏が特徴です。
iTunesでダウンロード購入できます。
トミー・ポッツはダブリン出身のフィドル奏者です。
アイリッシュフィドルの演奏にジャズさながらのアドリブの手法を取り入れた最初のフィドル奏者の一人と言われています。
演奏のスタイル自体はやや古めかしい(?)感じがあるので、アイリッシュフィドルのことをよく分からない人には、「この演奏のどこが凄いの?」と感じるかもしれませんが、アイリッシュフィドルの世界ではトミー・ポッツのような即興性のある演奏というのはなかなかできるものではありません。
マーティン・ヘイズなど現代を代表する演奏家にも影響を与えた、アイリッシュフィドル界のレジェンドの一人です。
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アンディ・マガンはニューヨーク出身のアイルランド系アメリカ人です。
アイリッシュフィドルの神様マイケル・コールマンから直々にレッスンを受けた数少ない奏者の一人です。
演奏スタイルはマイケル・コールマン直伝のスライゴのスタイルがベースになっていますが、リズミックでダイナミックながらも急かせるような感じがしない落ち着いたジェントルなタッチが特徴です。
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ショーン・ライアンはティぺラリー州出身のフィドル奏者です。
同姓同名のティンホイッスル奏者がいますが、ティンホイッスルのショーン・ライアンとは別人です。
ティぺラリーでも東クレアや東ゴールウェイ寄りのニュータウンという町の出身とあって、演奏のスタイルやレパートリーやクレアやゴールウェイのスタイルと通じるところがあります。
曲の作曲でも有名で、セッションでも盛んに弾かれている「Reel Of Rio」や「Glen of Aherlow」はショーン・ライアンによって作曲されました。
曲の美しさもさることながら、滑らかでスイートでジェントルなタッチの演奏を聞かせてくれます。
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ショーン・マグワイアはベルファスト出身のフィドル奏者です。
父親は伝統的な"フィドル"の奏者でしたが、本人はフィドルと同時にクラシックバイオリンのレッスンも受け、10代のころはベルファストのユースオーケストラで演奏するなどクラシック奏者としても活躍していました。
20代のころは、フィドルの奏法にクラシックバイオリンのテクニックを取り入れた超絶的な奏法が話題となり、アメリカのエドサリヴァンショーに出演するなど、"エンターテイナー"としてアメリカのショービズの世界で一時代を築きました。
アメリカ時代にはストラディバリウスを管理している財団から、ストラディバリウスを貸与されたことがあったそうです。
演奏のスタイルはクラシックバイオリンの技術を織り交ぜながらも、テクニックを見せつけるような感じではなく、とても「エンターテイニング」な楽しんで聞くことのできる演奏です。
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マーティン・ヘイズのCDは何枚も出ていますが、一枚だけ選ぶのであればこの「Welcome Here Again」が一番のお勧めです。
アイルランドのダンス曲の演奏というと複数の曲を繋げて"セット"で演奏することが多いのですが、このアルバムでは一曲だけで終わるトラックの多いです。
ある雑誌のマーティンのインタビュー記事によれば昔は「単曲」で演奏することの方が多かったそうです。
マーティンはライブでは1セットに10曲以上の曲を繋げて20分以上演奏することもあるのですが、このCDでは一曲一曲丁寧に弾きこんでいます。
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ヴィンセント・グリフィンは東クレアのフィークル出身のフィドル奏者です。
先に紹介したのマーティン・ヘイズも指導を受けたこともある、東クレアのみならずアイルランドを代表するフィドル奏者のひとりです。
彼はオールアイルランドフラーのフィドル部門で1974年に優勝しています。
演奏スタイルはマイケル・コールマンなどのスライゴ/ニューヨーク系のスタイルの影響が強く、クレアスタイルというよりかはスライゴスタイルに近い演奏が特徴です。
ロンドンに住んでいた時期があり、ロンドン時代にはBrendan McGlinchey(ブレンダン・マクグリンチー)や、ショーン・マグワイアなど当時ロンドン在住していた奏者の影響も受けているようです。
ヴィンセントはなんといっても、私がアイルランドに住んでいたときにお隣に住んでいたので、私にとっては色々な意味で影響を受けた奏者の一人です。
ヴィンセント・グリフィンについてはこちらもぜひご覧ください。
ヴィンセントの演奏です
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