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アイルランド旅行 - キルケニー県最高峰
Brandon Hill Co.Killkenny 515m
キルケニービールの工場見学、ニコラス・モスの工房、ケルト十字巡り
ブランドンヒルはキルケニー県の最高峰です。
山の北東のグレイゲナマナ(Graiguenamanagh)が最寄りの町になります。
ブランドンヒル遠景
グレイゲナマナの町より望むブランドンヒル。川はアイルランド第2位の長さのバーロー川(River Barrow)です。
ブランドンヒルはカーローとウェックスフォードの最高峰であるマウントレンスターからそう遠くないところに位置しているので、マウントレンスターとセットで登ることも可能です。
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ブランドンヒルの登頂ルートは色々あると思いますが、北東から登るルートが一般的のようです。
ブランドンヒルの登り始めはこんな砂利道の上を歩いていきます。
登山用の道というわけではなく、基本的には植林帯管理用の道です。
この道は「サウス・レンスター・ウェイ」というウォーキングコースの一部でもあります。サウス・レンスター・ウェイは、カーロウ州のキルダビン(Kildavin)から、ティペラリー州のキャリック・オン・シュア(Carrick-on-Suir)に至る全長104kmのアイルランド版の長距離自然歩道です。
しばし植林された森の中を歩きます。道は広く歩きやすいです。
森の中をしばらく歩くと「Freneys Well」という湧き水が湧いているところに出ます。
飲めるのかどうか分かりませんが、地元で神聖な水とされている「holy well」のようです。
森を抜けると今度は草藪の中に入りますが、この山は道らしい道が整備していてあるのでルートファインディングで困ることはありません。
道しるべも置かれているので道に迷う心配はありません。
頂上には三角点と大きな十字架が置かれています。
ブランドンヒルの頂上にある十字架。
人の背丈と比べるとこんな感じ。けっこう大きいです。
スタート地点からここまでの歩行記録。距離は5.29㎞でした。低山としては割と長めな距離だと思います。ショートカットして道なき道を突っ切ってくれがもっと短縮できると思います。
頂上で記念撮影。前方に見える山はカーローとウェックスフォードの最高峰のマウントレンスターです。
頂上からの眺めた麓のグレイゲナマナの町並みです。
本日の道のり
往復の距離は10.25㎞。所要時間は2時間19分でした。
帰る前に麓のグレイゲナマナの町中を探検
グレイゲナマナは小綺麗な町で個人的にポイントが高い町です。
グレイゲナマナのメインストリート
グレイゲナマナのメインストリートを行く大型トラック。
丸太はブランドンヒルで伐採したものでしょうか？？
アイルランドの田舎、特に植林樹林帯の近くにある町ではよく見る光景です。
グレイゲナマナのメインストリートにあったハードウェアショップを兼ねたパブ。
ハードウェアショップとは日本の金物屋さんに相当します。
置いてあるものを見る限り所謂ハードウェアショップなのですが、店舗のつくりはパブっぽく、そして中はやはりパブとしても営業している不思議な空間。
バーロー川に架かる趣のあるグレイゲナマナ橋。橋を渡った先はカーロー州です。
川の上にはたくさんの船が停泊していました。
中にはこんな家のような船もありました。
ブランドンヒルはキルケニー州の最高峰ですが、キルケニーといえば日本では同名のビールがよく知られています。
ビールのキルケニーですが、本国アイルランドでは「スミディクス (Smithwicks)」という名で知られています。
スミディクス(キルケニー)はキルケニーで300年以上に渡って製造されている、赤い色が特徴のエールというタイプのビールです。
キルケニー城とノア川(River Nore)
キルケニーの町中
キルデアの町中で発見したトライアンフの自転車！
トライアンフはTriumphと綴ります。(某下着メーカーと一緒)
オートバイのメーカーとして有名ですが、以前は自転車も作っていました。
綺麗ですが、使われているパーツからして40年くらい前のものと推測。フレームの作りもしっかりとしていて、まだまだ乗れそうな感じです。
アイルランドにはギネスビールの工場見学ツアーや、ウィスキーの蒸留所見学ツアーなどありますが、スミディクスでも工場見学ツアーをやっています。
せっかくなので工場見学ツアーに参加してみました。
ツアー参加者で揃って移動します。
色々な話を聞きながら工場内を回っていきます。
スミディクスの工場の敷地内にあるセント・フランシス修道院(St. Francis Abbey)。スミディクスのラベルのマークにも描かれています。
工場見学の最後には工場併設パブ「セラーバー」で工場直送の新鮮な(?)スミディクスを飲むことができます。
工場地下のとても雰囲気のいいバーです。
スミディクスはギネスと比べるとちょっと甘味のあるビールです。
キルケニーはスミディクスの海外向けブランドなので、アイルランドにはないと思っていたのですが、売っているところがありました。
でも普通に見かけるのはこっちが圧倒的に多いです。
キルケニー州のベネッツブリッジ(Bennettsbridge)という町にはアイルランドの有名な陶芸家「ニコラス・モス(Nicholas Mosse)」の工房があります。
ニコラス・モスの工房兼ショップ
ニコラス・モスの作品。
カラフルな図柄は、スポンジの判子で一つ一つ手作業で付けていくそうです。
描かれているのはアイルランドの花や動物たちだそうです。
ニコラス・モスの工房内。ご本人がここで作業している所を見れる時もあるそうです。
工房併設のショップで作品を購入できます。
ベッドサイドランプとか植木鉢なんかもありました。
ショップの中にあるカフェではニコラス・モスの作品が使われています。
個人的にお勧めなのが、カフェで売っていた「モッセ農園のリンゴジュース(Mosse's Farm Apple Juice)」。すごい美味しいリンゴジュースです。
ニコラス・モッセさんの親族の方?がやっている農園で取れたリンゴから作ったジュースだそうです。
カフェの窓
工房の外の景色
上の川にはアヒルが居ました。ニコラス・モスさんのアヒルでしょうか？
彼の作品にはアヒルが描かれているのもあったような。
アイルランドでアヒルを見る機会は以外と少ないです。
ガチョウと白鳥はそこら中に居ますが・・
ニコラス・モスの工房があるベネッツブリッジから南西にケルズ(Kells)という小さな村があります。
ケルズといってもキルケニーのケルズは「ケルズの書」のケルズとは関係ありません。アイルランドにケルズという地名はいくつかあって、ケルズの書が書かれた(かもしれないと言われている)"ケルズ"はミーズ州にあります。他にはケリー州にもケルズという場所があります。
ミーズ州のケルズ周辺は多くの遺跡があることで有名ですが、キルケニーのケルズ周辺も多くの遺跡があります。
ケルズの遺跡群の中心となるのが、この「ケルズの修道院跡(Kells Priory)」です。12世紀の終わり頃に建てられたと言われています。
ケルズの修道院跡から少し南に行くとあるのがこの「キルリーのラウンドタワー(Kilree Round Tower)」です。
高さは29メートルで、先端部分(屋根)は無くなってしまっています。入り口は高さ2メートルのところにあり、７個の窓が付いています。
ケルズの修道院が出来る前からあったらしいのですが、詳しい年代は不明だそうです。ここと同じ敷地内にハイクロスが一基あります。
上のラウンドタワーと同じ敷地に立っているハイクロスです。
高さは2.7メートルあります。浸食が進んでしまい、石面の彫刻がほとんどなくなってしまっています。ラウンドタワーと同じく建てられた年代は不明ですが、9世紀頃ではないかと言われているそうです。
キルリーの南西のティペラリー州との県境のキルキアラン(Kilkieran)にもハイクロスがあります。
高さは3.5メートルで、一番上に円錐型のキャップが置かれているのが特徴です。
円錐型のキャップはこの地域に残っているハイクロスに共通する特徴のひとつです。ケルズやひとつ前のキルリーなどはかつてはOssory(Osraige)という王国の一部でした。
上のハイクロスがある敷地(お墓)には「ホーリー・ウェル(Holy Well)」があります。ホーリー・ウェルとは直訳すると「聖なる泉」ですが、特別珍しいものでもなく、こちらの教会の敷地とかお墓の隅とかにあったりします。日本のお寺とか神社にある手水舎に似てると言えば似てるような、そんな感じです。
ホーリー・ウェルの脇には柄杓が掛けられています。この辺りが日本の手水舎と共通項があるなぁなんて思ったりします。
ここの泉から湧き出た水は、頭痛に効くそうです。
頭が痛くなった時はキルキアランに行くといいかも
キルキアランのハイクロスから2kmほど北に行ったところにあるのが、アヘニー(Ahenny)のハイクロスです。アヘニーは州としてはティペラリー州に属しますが、かつてはOssory(Osraige)*の一部でした。
*現在のキルケニーのあたりに存在した大昔の王国
アヘニーのハイクロスは「輪の形状を持ったハイクロス」としては最も古い時代のものの一つと言われているそうです。高さは3.1メートルあります。一部欠けてしまっている部分もあるのですが、支柱や土台の装飾はよく残っていて、ダビデ(David)とゴリアテ(Goliath)の戦いの模様などが刻まれているそうです。
美しい装飾が刻まれているアヘニーのハイクロス