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Benbaun Co. Galway 729m
[カイルモア修道院、コネマラ国立公園、ダイアモンドヒル etc]
Benbaun(ベンバウン)はゴールウェイ州の最高峰です。
地図だとアイルランド語綴りで「Binn Bhán」と書かれている場合もあります。
ゴールウェイ西部のコネマラという地域に位置する標高729メートルの山です。
コネマラでは日常的にアイルランド語が話されていて、このような地域のことを「Gaeltacht(ゲールタハト)」と呼んでいます。
Benbaun周辺には他にも高い山が連なり、12の山から成ることから一体は「Twelve Bens(トゥエルブベンズ)」と呼ばれています。
「Ben」とはアイルランド語で「山」を意味します。
アイルランド語で「山」を意味する単語はほかにもあって、「Slieve(スリーヴ)」や「Knock(ノック)」といった単語も山を意味します。
「Slieve(スリーヴ)」は「Sliabh(シュリーヴ)」と綴られることもあります。
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ベンバウンの登り方は色々あります。
ベンバウンの周辺には「ベン〇〇」という名前の山が12峰あり、アイルランドでは「トェルブベンズサーキット(Twelve Bens Circuit)」といって一日で12峰全てを登るルートが人気です。
私はBenbaunだけを登るルートで登ってみました。
カイルモア川(Kylemore River)沿いの農道に沿って歩くルートです。
カイルモア川の「カイルモア(Kylemore)」とは、コネマラを代表する観光地で「カイルモア修道院」のカイルモアと同じ綴りです。
カイルモア修道院は、カイルモア湖という湖のほとりに建っています。
そのカイルモア湖に流れこんでいる川がカイルモア川です。
カイルモア川のベンバウン山に端を発します。
カイルモア川沿いの農道。スタートしてしばらくこの農道の上を歩きます。
途中で大きな袋を持って歩くおじさんを発見。
聞くところによればこの先(この画像の左上に見える赤い屋根の家)の家に住む人で、家の暖炉で使う石炭を運んでいるとのことでした。
画像からでは分からないかもしれませんが、この辺りには電気が通っていないので、当然赤い屋根の家の中では電気は使えません。
電気はどうしているのかとおじさんに尋ねたら、明かりはオイルランプを使っているそうです。
羊がちらほらと見えるので、羊毛農家さんなのかもしれませんが、この辺りは車も通れないので、羊の毛を刈って売りにいくのも大変だと思います。
どうしてここに住んでいるのかいろいろと聞きたかったのですが、重たい荷物を持って歩いているところを邪魔しては悪いし、私も山頂を目指して歩いているところだったので、結局このおじさんの正体については謎のままです。
もしまた行く機会があったら、ぜひ赤い屋根の家を訪ねてみたいです。
ここで農道が川で分断されてしまいます。
道はまだ続くのですが、橋がない・・
先ほどの石炭を運んでいたおじさんの家も川の向こう岸にあるのですが・・
こういときはこうやって渡るしかないですね。
川を渡ってしばらく行くと農道の終点に来ます。
農道の終点に門があります。
門のところから適当に斜面を登り始めます。
斜面に道らしい道はありませんが、鉄条網が張られている所があるので、しばらくは鉄条網沿いに歩きます。
一部ガレ場もありますが、全体的には泥炭質の柔らかい地面の方が多いです。斜面を登り続けれるとベンバウンの稜線上へと出ます。
稜線上に出れば頂上まではあとわずか。
ここがベンバウンの山頂です。山頂には三角点が置かれています。
この日はあいにくの空模様で、頂上からの眺望は一切ありませんでした。
ここまでの道のり。
麓から頂上までの距離は7.38km、所要時間2時間54分でした。
始めて登った時がガスでなにも見えずじまいだったので、天気のいい日に再びベンバウンに登ってみました。
ルートは最初に登ったときと全く同じルートを通りました。
前回おじさんに遭遇したカイルモア川沿いの農道。
この日は残念ながら会えませんでした。
農道の終点から斜面を登り始めた辺りで、虹が出ているのを見つけました。
虹の根本までくっきりと見えます。
虹の根本を見る機会ってなかなかないので結構感動しました。
レプラコーン*には会えませんでしたが・・
*アイルランドの妖精で、虹が出ると虹の根本に埋まっている宝物を掘りにやってくるそうです。なので虹の根本で待ち伏せして、宝物を掘りに来たレプラコーンを捕まえると願い事を叶えてくれるそうです。
山頂からの眺望も素晴らしかったです。
ふもとから山頂に至るまでを動画に収めてみたので、よかったらご覧になってください。
動画のBGMに使っている曲は、アイルランド人女性シンガーソングライター「リサ・ハニガン(Lisa Hannigan)」の曲です。
上の動画に出てくるカイルモア川の下流にはカイルモア湖という湖があります。カイルモア湖のほとりには有名なカイルモア修道院があります。
カイルモア湖のほとりに建つカイルモア修道院
カイルモア修道院の西にはレターフラック(Letterfrack)という町があります。
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レターフラックにはコネマラ国立公園(Connemara National Park)のビジターセンターがあり、国立公園内の様々な情報を得ることができます。
ゴールウェイ最高峰のベンバウン山もコネマラ国立公園の中にあります。
ビジターセンターの近くにはダイアモンド・ヒルという442メートルの丘があり、ビジターセンターから直接歩いていくことができます。
ビジターセンターからダイアモンドヒルの頂上まで、ダイアモンドヒル・ウォークというウォーキングコースが延びています。
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ダイアモンドヒルとウォーキングコース
泥炭地になってるところには木道が通っています。
頂上までちゃんとした道が通っていて歩きやすいです。
頂上まではビジターセンターから3㎞ほど。1時間くらいで登れます。
ダイアモンドヒル頂上。頂上は360度のパノラマが広がっています。
ダイアモンドヒル山頂からのコネマラの山々の眺め。
頂上からトゥエルブベンズ(コネマラの名峰12座)方面の眺め。
山頂からのカイルモア湖の眺め。カイルモア修道院も見えます。
頂上からのバリナキル湾(Ballynakill Harbour)方面の眺め。右のこんもりした山はタリー山(Tully Mountain)です。
ダイアモンドヒルは簡単に登ることができる低山ながらも、頂上から素晴らしい景色を眺めることができます。
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ちなみにアイルランドの人気アコーディオン奏者シャロン・シャノンのCDに「ダイヤモンド・マウンテン・セッションズ(The Diamond Mountain Sessions)」というタイトルのCDがあるのですが、タイトルに使われている「ダイアモンド・マウンテン」はこの「ダイアモンドヒル」のことを指しています。
シャロン・シャノンの「ダイヤモンド・マウンテン・セッションズ」のジャケット
上のジャケットと比べるとどうでしょう?
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ビジターセンターの敷地に居たコネマラポニー。
コネマラはポニーの産地として有名です。
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レターフラックにはアヴォカ(Avoca)のギフトショップがあります。
レターフラックの桟橋に放置されている廃船。
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バリナヒンチ駅の駅舎。(Ballynahinch Station House)
かつてコネマラに鉄道が通っていた時代に駅舎として使われていた建物です。現在は普通の民家として利用されています。
今は庭として使われているこの部分に駅のプラットフォームがありました。
よく見ると線路が通っていた痕跡が残っているのが分かると思います。
庭の先には線路が残っています。
これは昔の鉄橋です。
地図で「Dismantled Railway」とか「Disused Railway」と書いてあるところが昔の鉄道の線路跡です。
探すと結構あります。
中には保存状態の良い鉄橋やら、昔の駅舎を見れたりします。
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ラウンドストーンの桟橋から眺めるコネマラの山々。
個人的にコネマラの山はここから見るのが一番綺麗かなと思っています。