Penal Laws (カトリック刑罰法 - ぺナル法)

「カトリック刑罰法」とは、ステュアート朝による王政復古後のイングランドで成立した非国教徒抑圧(※)のための一連の立法の一つです。

 

(※)非国教徒=イギリス国教徒以外の宗教の信者カトリック

当時のアイルランドの国民の大多数はカトリック信者でした。

 

現在でもそうですが、アイルランドもイギリスもキリスト教を信仰しています。キリスト教といっても、アイルランド人の大部分はカトリック (首長はローマ法王)、イギリスはプロテスタント (首長はイギリス国王(女王)です。

イギリスのプロテスタント(イギリス国教会)はイギリスの王様が自分の都合の良いように作った宗教です。

 

イギリスはイギリスで起こった新しいキリスト教、「イギリス国教会」を押し付けるために、アイルランドの人々に対して様々な政策を行ったのですが、アイルランドの人々が改宗することを拒んだために実力行使へと出るようになりました。

 

アイルランド人を徹底的に支配するために成立したのがこの「Penal Laws (カトリック刑罰法律)」で、内容は非常に残酷で非人道的なものとなっています。

以下は「カトリック刑罰法」の一部です。

  1. カトリック教徒は、医師・教師・法律家になれない。
  2. カトリック教徒は、軍人・警官になれない。

  3. カトリック教徒は、武器を持ってはいけない。また、武器の製造・販売はできない。

  4. カトリックの新聞・書籍は出版・販売してはいけない。

  5. 都市の商工業者はカトリックの従業員を雇うことを禁じる。

  6. カトリックの商工業者は、二人以上の従業員を雇うことはできない。

  7. カトリック教徒は、新たな土地を購入できない。

  8. カトリック教徒は、収入の10分の1を英国国教会に納税しなければならない。

  9. 英国の教会の信徒やプロテスタントはカトリックの人々と結婚できない。もし結婚したらば、男は公民権・女は財産相続権を剥奪される。

 

と、このような内容で、イギリス人はアイルランド人を奴隷のように扱ったのです。

このようなイギリスの政策が、その後のアイルランドを襲った大飢饉を招いた引き金となっていることは言うまでもありません。

カトリック刑罰法 (英文)

【Penal Laws】

  • The Catholic Church forbidden to keep church registers.
    (カトリック教会が自己の教徒の戸籍簿を持つことを禁ず)

  • The Irish Catholic was forbidden the exercise of his religion.
    (カトリック教徒は自己の宗教を崇拝することは出来ない)

  • He was forbidden to receive education.
    (カトリック教徒に教育を受ける権利はない)

  • He was forbidden to enter a profession.
    (カトリック教徒が職を得ることは出来ない)

  • He was forbidden to hold public office.
    (カトリック教徒が官公庁を持つことはできない)

  • He was forbidden to engage in trade or commerce.
    (カトリック教徒が商売をすることを禁ず)

  • He was forbidden to live in a corporate town or within five miles thereof.
    (カトリック教徒は町から5マイル以上離れて住むこと)

  • He was forbidden to own a horse of greater value than five pounds.
    (カトリックは5ポンド以上の馬を所有できない)

  • He was forbidden to own land.
    (カトリックは土地を所有できない)

  • He was forbidden to lease land.
    (カトリックは土地を貸すことができない)

  • He was forbidden to accept a mortgage on land in security for a loan.
    (カトリックは土地を担保にローンができない)

  • He was forbidden to vote.
    (カトリックに投票権はない)

  • He was forbidden to keep any arms for his protection.
    (カトリックは武器を所有してはいけない)

  • He was forbidden to hold a life annuity.
    (カトリックは年金を受け取ることができない)

  • He was forbidden to buy land from a Protestant.
    (カトリックがプロテスタントから土地を買うことを禁ず)

  • He was forbidden to receive a gift of land from a Protestant.
    (カトリックがプロテスタントから土地を貰うことを禁ず)

  • He was forbidden to inherit land from a Protestant.
    (カトリックがプロテスタントから土地を相続することを禁ず)

  • He was forbidden to inherit anything from a Protestant.
    (カトリックはプロテスタントからいかなるものも相続できない)

  • He was forbidden to rent any land that was worth more than 30 shillings a year.
    (カトリックが30シリング以上の土地を借りることを禁ず)

  • He was forbidden to reap from his land any profit exceeding a third of the rent.

  • He could not be guardian to a child.
    (カトリックは子供の身元保証人にはなれない)

  • He could not, when dying, leave his infant children under Catholic guardianship.

  • He could not attend Catholic worship.
    (カトリックはカトリック教会の礼拝に参列してはいけない)

  • He was compelled by law to attend Protestant worship.
    (カトリックはプロテスタントの礼拝に参列してはいけない)

  • He could not himself educate his child.
    (カトリックは子供に教育を授けてはいけない)

  • He could not send his child to a Catholic teacher.
    (カトリックは子供に教師をつけてはいけない)

  • He could not employ a Catholic teacher to come to his child.
    (カトリックは子供のために教師を雇ってはいけない)

  • He could not send his child abroad to receive education.
    (カトリックは子供に教育をうけさせるために子供を海外に留学させてはいけない)